BLOG
お役立ちBLOG
制度・動向
2026年度内に在留資格更新を迎える方へ~確実な更新の準備と最新制度改正情報
皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。
2026年度(2026年4月から2027年3月まで)に在留期間の満了を迎える外国人の方々にとって、この年度は特に注意が必要な年となります。2026年度中には申請手数料の大幅値上げが予定されており、さらに2027年6月からは社会保険料納付要件の厳格化も控えています。また、政府は在留資格制度全般の厳格化を方針として打ち出しており、審査基準の見直しが進められています。本コラムでは、更新手続きの基本から、制度改正に関する最新情報、そして確実な更新のための準備について解説していきます。

満了時期別の準備開始推奨時期
ご自身の在留カードに記載されている「在留期間の満了の日」を確認し、以下のスケジュールを参考に準備を開始してください。
準備開始の目安:
2026年1月~3月満了の方 → 既に申請可能時期(満了日の3か月前から申請可能)、直ちに準備を開始
2026年4月~6月満了の方 → 2026年1月~2月頃から準備開始
2026年7月~9月満了の方 → 2026年4月頃から準備開始
2026年10月~2027年3月満了の方 → 2026年7月頃から準備開始
いずれの時期も、在留期間満了日の3か月前から申請が可能です。審査には通常1か月から2か月程度かかりますので、余裕を持った申請を心がけてください。
更新手続きの基本的な流れ
在留期間更新許可申請の基本的な流れは、在留資格の種類によって多少異なりますが、おおむね以下の通りです。
まず、在留期間満了日の3か月前になったら、必要書類の準備を開始します。申請書は出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。申請書に必要事項を記入し、パスポート、在留カード、証明写真、そして在留資格ごとに指定された書類を準備します。
書類が揃ったら、管轄の出入国在留管理局に申請します。東京都内にお住まいの方は、品川区港南にある東京出入国在留管理局が管轄となります。窓口での申請の場合は、申請時に手数料として収入印紙を購入して納付します(2026年度中に金額が変更される可能性があります)。オンライン申請も可能で、窓口申請より手数料が安くなる場合があります。
申請後、審査には通常1か月から2か月程度かかります。審査中に追加書類の提出を求められることもありますので、出入国在留管理局からの連絡には迅速に対応してください。許可が下りると、在留カードの更新手続きを行います。
必要書類の準備
在留資格更新に必要な書類は、在留資格の種類によって異なりますが、共通して必要となる基本書類があります。
すべての在留資格に共通する書類:
在留期間更新許可申請書
パスポート
在留カード
証明写真(4cm×3cm)
就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能など)の場合:
勤務先からの在職証明書
雇用契約書の写し
会社の登記事項証明書
直近年度の決算書類
申請人の住民税の課税証明書および納税証明書
企業側が作成する「理由書」や「雇用理由書」(求められる場合)
留学生の場合:
在籍している学校からの在学証明書
成績証明書
出席証明書
預金残高証明書または奨学金の受給証明書
家族滞在の場合:
扶養者の在職証明書、課税証明書、納税証明書
扶養者の在留カードの写し
家族関係を証明する書類
すべての在留資格で重要: 近年、健康保険証の提示も求められるようになっています。必ず健康保険に加入し、保険証を持参するようにしてください。
審査のポイントと不許可を避けるための注意点
在留期間更新許可申請の審査では、以下のポイントが確認されます。
主な審査ポイント:
在留資格に該当する活動を継続して行っているか
素行が善良であるか(犯罪歴、交通違反の頻度など)
独立して生計を営むことができる資産または技能を有しているか
納税義務や社会保険料の納付義務を適切に履行しているか
出入国在留管理局への届出義務を果たしているか
特に注意すべき点として、在留資格で認められた範囲内の活動を行っていることが重要です。例えば、技術・人文知識・国際業務の在留資格で単純労働に従事している場合や、留学生が資格外活動許可なしにアルバイトをしている場合などは、更新が許可されない可能性が高くなります。
2026年度中の制度改正:申請手数料の大幅値上げ
値上げの内容と時期
政府は在留資格の申請手数料を大幅に引き上げる方針を検討しています。2026年の通常国会に入管法改正案が提出される予定で、可決されれば2026年度中に手数料の値上げが実施される見込みです。
検討されている手数料案(最終決定ではありません):
在留資格の変更・更新:現行6,000円 → 3万円~4万円程度
永住許可申請:現行1万円 → 10万円以上
ただし、これはあくまで検討段階の情報であり、最終的な金額はまだ決定されていません。国会審議を経て可決された後、政令で具体的な金額や施行時期が定められます。
2026年度に更新を迎える方への影響
2026年1月~3月満了の方:値上げ前の手数料が適用される可能性が高い
2026年4月以降満了の方:値上げ後の手数料が適用される可能性がある(施行時期による)
手数料が大幅に値上げされた場合、家計への影響も大きくなります。費用面での準備を計画的に進めておくことが重要です。また、オンライン申請を利用すると、窓口申請よりも手数料が安くなる可能性がありますので、活用を検討しましょう。
最新情報の確認方法
手数料の最終的な金額や施行時期は、以下のタイミングで公式発表されます。
2026年1月頃:通常国会開会、入管法改正案の国会提出
国会審議中:改正案の内容や修正の情報
法案可決後:政令による具体的な金額と施行時期の公布
出入国在留管理庁や法務省のウェブサイトを定期的にチェックし、正確な情報を確認してください。
2027年6月施行予定:社会保険料納付要件の厳格化
厳格化の内容
2027年6月から、社会保険料の納付状況に関する審査が厳格化される予定です。この改正により、悪質な保険料滞納がある場合には在留資格の更新を認めない制度が導入されます。
厚生労働省と法務省が連携して、悪質な保険料不払いの情報を共有し、該当する外国人については在留資格の取消しや在留期間の更新を許可しない仕組みが導入される予定です。「悪質な滞納」の具体的な基準については今後明確化されますが、長期間にわたる滞納や、意図的な未加入などが対象になると考えられます。
2026年度に更新を迎える方が今すべきこと
2027年6月の施行まではまだ時間がありますが、2026年度に更新を迎える方は、この機会に社会保険料の納付状況を確認し、必要な対応を取っておくことを強くお勧めします。
今すぐ確認・対応すべきこと:
1.加入状況の確認
国民年金、国民健康保険、厚生年金、健康保険のいずれかに加入しているか確認する
加入していない場合は、速やかに加入手続きを行う
2.納付状況の確認
過去に未納がないか確認する
未納がある場合は、可能な範囲で解消しておく
3.今後の納付習慣の確立
確実に期限内に保険料を納付する習慣をつける
口座振替などの自動納付を設定する
重要なポイント: 2026年度の更新審査では、まだ新しい厳格基準は適用されませんが、社会保険への加入と保険料の納付は現時点でも審査の参考要素となっています。今のうちに対応しておくことで、2026年度の更新審査でも有利になり、かつ次回以降(2027年6月以降)の更新時に安心できます。
在留資格制度全般の厳格化への対応
政府は2026年以降、在留資格制度全般の厳格化を方針として打ち出しています。各在留資格において、以下のような厳格化が進められる見込みです。
在留資格別の厳格化の動向
留学:
資格外活動許可の運用厳格化
出席率や成績の審査強化
日本語能力の確認強化
技術・人文知識・国際業務:
職務内容と学歴・職歴の関連性審査の厳格化
実際の業務内容の確認強化
報酬額の適正性の審査強化
育成就労制度(技能実習に代わる新制度):
2024年に法改正が行われ、段階的に導入予定
日本語能力要件の強化
転籍要件の明確化
在留期間短縮の可能性
これまで3年または5年の在留期間が付与されていた方でも、厳格化を踏まえた対応措置として、場合によっては1年の在留期間しか認められない可能性があります。
在留期間が短縮される可能性があるケース:
社会保険料に未納がある場合
税金の滞納がある場合
在留資格に該当する活動の実態に疑義がある場合
素行面で問題がある場合(交通違反の繰り返しなど)
収入が不安定な場合
届出義務を怠っている場合
在留期間が短縮されると、更新手続きの頻度が増え、その都度の手数料負担も増えることになります。特に2026年度中に手数料が値上げされた場合、1年ごとの更新では費用負担が大きくなります。
厳格化への適切な対応
在留資格制度の厳格化は、真面目に義務を果たしている外国人を保護し、不正や義務違反を防ぐことが目的です。以下の点を確実に守ることで、厳格化の影響を受けることなく、安心して在留資格を維持できます。
確実に守るべき基本原則:
在留資格で認められた活動のみを行う
税金を期限内に納付する
社会保険料を確実に納付する
健康保険に加入する
住所変更などの届出義務を守る
日本の法律を遵守する
素行を善良に保つ
制度改正への適切な対応と専門家の活用
正確な情報の入手
制度改正に関する情報は、出入国在留管理庁や法務省のウェブサイトで公式に発表されます。インターネット上には様々な情報が飛び交いますが、中には不正確な情報や憶測も含まれています。必ず公式サイトで確認する習慣をつけましょう。
2026年度の重要な情報確認タイミング:
2026年1月(通常国会開会時)
入管法改正案の国会提出時
改正法案の可決時
手数料改定に関する政令公布時
手数料改定の施行時
2027年3月頃(社会保険料納付要件厳格化の詳細発表が予想される時期)
専門家への相談
制度改正の内容が複雑で理解しにくい場合や、自分の状況にどのような影響があるか判断が難しい場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
専門家への相談を検討すべきケース:
過去に社会保険料や税金の未納があり、制度改正の影響が心配な場合
在留資格の変更を検討しているが、要件を満たすか不安な場合
手数料引き上げ前に永住申請を済ませるべきか判断に迷う場合
制度改正の内容が複雑で、自分の状況にどう影響するか分からない場合
在留期間が短縮される可能性があり、対策を相談したい場合
専門家は最新の法令や制度改正の動向を常に把握しており、個別の状況に応じた適切なアドバイスを提供できます。不許可になってから相談するのではなく、申請前の段階で専門家のチェックを受けることで、確実な許可取得につながります。
まとめ
2026年度に在留資格の更新を迎える方は、ご自身の在留期間満了日を確認し、早めの準備を心がけてください。更新申請は在留期間満了日の3か月前から可能ですので、余裕を持って手続きを進めることが重要です。
2026年度は制度改正の移行期にあたり、以下の点に特に注意が必要です。
2026年度中の重要ポイント:
申請手数料の値上げが実施される見込み(最終金額は未決定)
社会保険料納付要件の厳格化(2027年6月施行)に向けた準備が必要
在留資格制度全般の厳格化により、在留期間が短縮される可能性もある
社会保険料については、2027年6月の厳格化施行を見据えて、今のうちに加入状況と納付状況を確認し、未納や未加入があれば解消しておくことを強くお勧めします。
また、制度の厳格化に対応するため、在留資格で認められた活動を確実に行い、税金や社会保険料などの義務を着実に果たすことが、今まで以上に重要になります。
制度の内容が複雑で判断が難しい場合は、行政書士などの専門家に相談することで、確実な更新手続きにつながります。正確な情報収集と早めの準備が、安心して更新を迎えるための鍵となります。
本コラムが、皆さんの在留資格更新の一助となれば幸いです。今回のコラムの内容について、ご感想やご質問、あるいは「こんな情報も知りたい」というご要望がございましたら、お気軽に当事務所のお問合せフォームからお聞かせください。皆さんからのご意見を今後のコラム作成の参考にさせていただきます。
無断転載・配布を禁じます。
一覧に戻る →