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就労系ビザ
2025/8/20
家族滞在ビザの就労可能性ー配偶者・子供の資格外活動許可申請
皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。
「技術・人文知識・国際業務で働いている夫の配偶者も日本で働くことはできますか?」このような質問をいただくことがあります。答えは「YES」です。ただし、週28時間以内という制限と、資格外活動許可の取得が必要という条件があります。
家族滞在の在留資格を持つ外国人の就労は、多くの企業が知らない人材確保のチャンスでもあります。適切な手続きと管理により、貴重な人材を確保しながら法令遵守も両立させることが可能です。
今回は、家族滞在ビザでの就労可能性と資格外活動許可申請について、企業が知っておくべきポイントをお伝えいたします。

家族滞在ビザの基本的な仕組み
家族滞在ビザとは
家族滞在の在留資格は、就労ビザや留学ビザなどで日本に在留している外国人の配偶者や子供(未成年で未婚)が、その家族として日本に滞在するための資格です。技術・人文知識・国際業務、特定技能、高度専門職、経営・管理などの在留資格を持つ方の家族が対象となります。
原則として「日常的な活動」に限定されており、就労は含まれていません。しかし、資格外活動許可を取得することで、一定の制限の下で就労することが可能になります。
対象となる家族の範囲
配偶者:法律上の婚姻関係にある夫または妻(内縁関係は含まれません)
子:未成年で未婚の実子または養子
配偶者については年齢制限がなく、子については成人していても未婚であれば対象となる場合があります。ただし、経済的依存関係や家族としての実体があることが重要な要素となります。
在留期間の管理
家族滞在の在留期間は、扶養者(主たる在留資格者)の在留期間と関連しており、通常は扶養者と同じかそれより短い期間が付与されます。扶養者の在留期間更新に合わせて、家族滞在者の更新も必要となります。
資格外活動許可の要件と制限
資格外活動許可の基本要件
家族滞在者が就労するためには、出入国在留管理局で資格外活動許可を取得する必要があります。包括的許可の要件は以下の通りです:
週28時間以内の労働時間
風俗営業等に関連する業務ではないこと
現在の在留資格に係る活動を阻害しないこと
週28時間制限の詳細
週28時間の制限は資格外活動許可における最も重要な要件です。計算期間は「週」単位であり、月単位や年単位の平均ではありません。ある週に30時間働いて、別の週に26時間働くというように週ごとに変動させても、制限を超えた週があれば違反となります。
複数の事業所で働く場合は、全ての労働時間を合計して28時間以内に収める必要があります。例えば、A社で週15時間、B社で週10時間働く場合は合計25時間となり適法ですが、それぞれ週15時間ずつ働くと合計30時間となり制限を超過します。
禁止業務の範囲
風俗営業等に関連する業務は明確に禁止されています:
パチンコ店での業務
麻雀店、ゲームセンターでの業務
バー、クラブ、キャバレー等での接客業務
店舗型性風俗特殊営業に関連する業務
ただし、風俗営業の店舗であっても、清掃や皿洗い等の接客を伴わない業務であれば許可される場合もあります。
資格外活動許可の申請手続き
申請に必要な書類
資格外活動許可申請書
パスポート
在留カード
申請人の写真(4cm×3cm、申請前3か月以内に撮影)
申請手続きの流れ
申請は本人が出入国在留管理局に出頭して行います。代理申請は原則として認められていませんが、16歳未満の場合は親権者等が代理で申請できます。
申請から許可まで通常2週間から1か月程度の期間を要します。審査期間中は就労することができないため、雇用開始前に十分な余裕を持って申請することが重要です。
許可が下りると、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」等の記載がなされ、資格外活動許可を取得していることが確認できます。
更新手続きについて
資格外活動許可の有効期限は在留期間の満了日と同じ日までとなることが一般的です。在留期間更新の際には、資格外活動許可の継続についても申請が必要となります。
継続して同様の活動を行う場合は、在留期間更新許可申請と同時に資格外活動許可の継続申請を行うことができ、効率的な手続きが可能です。
企業側の管理と責任
労働時間管理の重要性
家族滞在者を雇用する企業は、週28時間の制限を確実に守らせる責任があります。違反が判明した場合、外国人本人だけでなく、雇用した企業も法的責任を問われる可能性があります。
効果的な管理方法:
タイムカードやシフト管理システムでの確実な労働時間記録
週単位での労働時間の定期確認
他の勤務先での労働時間の確認(本人からの申告制度)
月末時点での労働時間総合チェック
特に繁忙期やイベント時期には、うっかり制限を超過しがちですので、事前のシフト調整と当日の確認が重要となります。
雇用契約における注意点
家族滞在者との雇用契約では、週28時間制限を明記し、この制限を遵守することを雇用条件とすることをおすすめいたします。また、他の勤務先での労働がある場合の報告義務についても契約書に記載しておくとトラブル防止に効果的です。
社会保険や労働保険については、労働条件を満たせば日本人と同様に加入義務が発生します。週28時間以内の短時間労働であっても、雇用保険については週20時間以上の場合は加入が必要となりますので注意が必要です。
家族全体での在留管理戦略
扶養者との連携
家族滞在者の在留管理において重要なのは、扶養者(主たる在留資格者)との連携です。扶養者の在留期間更新や在留資格変更があった場合、家族滞在者にも影響が及ぶ可能性があります。
例えば、扶養者が転職により在留資格変更が必要となった場合、手続きが完了するまでの間、家族滞在者の地位も不安定になることがあります。
将来的な在留資格変更の検討
家族滞在者が長期間日本に滞在し、一定の学歴や職歴を有する場合、技術・人文知識・国際業務等の就労ビザへの変更を検討することも選択肢の一つです。これにより、労働時間の制限がなくなり、より安定した雇用が可能となります。
家族全体のライフプランニング
日本での長期滞在を検討している家族の場合、将来的な永住申請や帰化申請も視野に入れた在留管理戦略を立てることが効果的です。適切な在留管理により、家族全体の日本での安定した生活基盤を構築することができます。
中小企業での活用メリット
柔軟な人材確保
家族滞在者の活用は、中小企業にとって貴重な人材確保の機会となります。言語能力や文化的理解を活かせる業務において、大きな戦力となる可能性があります。
週28時間以内の制限があるため、短時間勤務やパートタイム雇用に適しており、企業の人件費負担も抑えられます。また、家族として日本に滞在しているため、比較的安定した勤務が期待できることも魅力の一つです。
多様性のある職場環境の構築
家族滞在者を含む外国人材の活用により、職場の多様性が向上し、新たなアイデアや視点を得ることができます。既に雇用している外国人材にとっても、家族が近くで働けることは大きなメリットとなり、定着率向上にもつながる可能性があります。
よくある問題と対策
労働時間超過への対応
万が一、週28時間を超過してしまった場合は、速やかに適正な労働時間に戻すとともに、再発防止策を講じることが重要です。継続的な違反や悪質な違反と判断された場合、資格外活動許可の取消しや、在留資格への影響が生じる可能性があります。
扶養者の転職・転勤への対応
扶養者が転職や転勤により居住地を変更する場合、家族滞在者の勤務継続が困難になることがあります。このような場合は、事前に相談し、可能な限り円満な退職手続きを進めることが重要です。
在留資格の変更や更新での影響
家族滞在者の在留資格変更や更新手続きの際、雇用状況も審査の対象となります。適法な雇用を継続していることを示すため、労働条件や労働時間の記録を適切に保管しておくことをおすすめいたします。
専門家サポートの活用
家族滞在者の雇用に関して、「資格外活動許可の要件を満たしているか不安」「労働時間管理の方法がわからない」といったお悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。
行政書士等の専門家によるサポートでは、以下のような支援を提供できることがあります:
資格外活動許可申請のサポート
申請要件の確認と必要書類の準備支援
申請手続きの代行と審査状況のフォロー
許可後の更新手続きの継続サポート
企業向けコンプライアンス体制構築
労働時間管理システムの整備支援
雇用契約書や就業規則の整備
従業員教育プログラムの策定
家族全体の在留管理戦略
扶養者を含めた総合的な在留管理計画
将来的な在留資格変更や永住申請への準備
トラブル発生時の迅速な対応支援
まとめ
家族滞在ビザでの就労は、資格外活動許可の適切な取得と管理により実現できる貴重な人材活用の機会です。週28時間の制限や禁止業務への注意は必要ですが、適切な管理体制を整備することで、企業と外国人材双方にとってメリットのある雇用関係を築くことができます。
重要なのは、法令を遵守しながら、家族滞在者が持つ能力や特性を最大限に活かせる環境を整備することです。労働時間の適切な管理、研修・教育体制の充実、そして将来的な在留資格変更も見据えた長期的な視点での人材育成により、持続可能な雇用関係を実現できるのではないでしょうか。
中小企業にとって、家族滞在者は貴重な人材リソースとなり得ます。適切な理解と準備により、多様性のある職場環境の構築と事業の発展を同時に実現していただければと思います。
この記事についてご質問やご感想がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームからお聞かせください。皆様からのご意見は、今後のコンテンツ作りの参考にさせていただいております。特に「家族滞在者の雇用で具体的に困っている点がある」「労働時間管理の方法について詳しく知りたい」といったリクエストも大歓迎です。
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