BLOG

お役立ちBLOG

制度・動向

2026/7/6

在留資格申請手数料の値上げ~具体的な金額が判明

皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。

在留資格の手数料が大きく値上げされるというニュースは、すでに何度も話題になってきました。今年3月に閣議決定、5月に法律として成立し、手数料の「上限額」自体はすでに決まっていましたが、皆さんが本当に知りたいのは「結局いくらになるのか」「いつから始まるのか」という具体的な数字だと思います。6月24日の読売新聞オンラインの報道により、その答えがようやく見えてきました。今回は、なぜこの見直しが行われているのかという背景から、最新の金額案、そして今からできる備えまでを整理してお伝えします。

なぜ手数料が見直されているのか

今回の見直しの出発点は、2026年1月23日に政府の関係閣僚会議が公表した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」です。この対応策では、わが国に在留する外国人の数が令和7年6月末時点で過去最高の約396万人に達し、今後も増加が見込まれる中で、外国人に関わる各種施策や出入国在留管理の体制を強化・拡充する必要があると指摘されました。

そのために必要となる経費の増大に対して、受益者負担の観点から外国人本人にも相応の負担を求めることが適当であるとされ、令和8年度中に在留許可手数料を見直して引き上げる方針が示されたんです。あわせて、昭和53年以来見直しが行われていなかった査証(ビザ)手数料についても、同時に見直しを行う方針が打ち出されています。手数料の引き上げは、単なる費用増という話ではなく、外国人政策全体の財源確保策の一つとして位置づけられているんです。

法改正による「上限額」の決定まで

この方針を実現するため、2026年3月10日に入管法改正案が閣議決定・国会に提出されました。現行の入管法では、在留期間の変更・更新、永住許可のいずれも手数料の上限が一律1万円と定められており、この水準は1981年の制度開始以来、約45年にわたり据え置かれてきたものです。

改正案は4月28日に衆議院を通過し、5月29日に参議院本会議で可決・成立しました。これにより、手数料の法定上限額が、在留資格の変更・更新で10万円、永住許可で30万円へと引き上げられています。なお、これより前の2025年4月1日には、すでに一段階目の改定が実施されており、在留資格変更・更新手数料が4,000円から6,000円へ、永住許可申請手数料が8,000円から1万円へとそれぞれ上がっていました。

ここまではあくまで「上限の枠」が法律で決まった段階であり、実際の金額は今後、政令で別途定めるとされていました。

報道された具体的な金額案

そして今回、読売新聞オンライン(2026年6月24日配信)の記事によると、出入国在留管理庁が自民党法務部会に、実際の手数料額の案を示したと報じられました。同記事の内容によれば、在留期間の長さに応じて、次のように7段階に分かれる設計です。

在留期間の区分

現行

手数料案

現行との倍率

3か月以下

6,000円

1万円

約1.7倍

3か月超6か月未満

6,000円

1万8,000円

3倍

6か月超1年未満

6,000円

2万5,000円

約4.2倍

1年

6,000円

3万3,000円

5.5倍

1年超3年未満

6,000円

4万8,000円

8倍

3年以上5年未満

6,000円

6万4,000円

約10.7倍

5年以上

6,000円

7万5,000円

12.5倍

永住許可

1万円

20万円

20倍

(表の出典:読売新聞オンライン 2026年6月24日配信記事をもとに作成)

現行の在留資格変更・更新手数料は一律6,000円、永住許可は1万円ですので、在留期間が長くなるほど倍率も大きくなり、5年以上では12.5倍、永住許可では20倍という大幅な引き上げになります。一方で、在留期間が短い3か月以下の区分でも約1.7倍の引き上げとなる点は見落とされやすいので、注意が必要です。なお、オンライン申請を利用した場合は最大1万円の割引が見込まれていますが、在留期間3か月以下の区分は対象外とされています。

施行のタイミングについては、早ければ2026年10月からの引き上げが見込まれていると報じられています。これまで「令和8年度中」と漠然と言われていたものが、ようやく具体的な月のレベルで見えてきた段階です。

なお、海外から呼び寄せる際に必要な在留資格認定証明書(COE)については、今回の報道資料の中に金額への言及がありません。現時点で言及がないということは、現行の無料が維持される可能性が高いとも考えられますが、今後の発表を引き続き注視していく必要があります。

混同しやすい「入国査証」の値上げ

ここで一点、注意していただきたいことがあります。今回お伝えしている在留資格の変更・更新・永住許可の手数料とは別に、海外から日本に入国する際に必要な入国査証、いわゆるビザの発給手数料も値上げされます。一次入国査証は3,000円から1万5,000円、数次入国査証は6,000円から3万円へと、2026年7月1日から適用されます。

この査証手数料は、昭和53年(1978年)以来、約48年間にわたり見直しが行われてこなかったものです。一方、在留資格の手数料は2025年4月1日に一律4,000円から6,000円へ改定されたのち、わずか1年余りで今回の見直しが続く形となっており、こちらは矢継ぎ早に改定が重なっている状態といえます。両者は改定のペースという点で対照的ですが、これは入国前の手続きにかかる手数料であり、今回の在留資格関連の改定とは制度上別の枠組みです。同じ時期にニュースとして取り上げられているため、混同しないようご注意ください。

企業の人事・労務管理への影響

外国人材を雇用している企業の皆さんには、特に注意していただきたい点があります。これまで在留資格の変更・更新手数料は、在留期間にかかわらず一律6,000円でした。今回の改定案では、在留期間の長さに応じて金額が7段階に分かれる設計となっています。

つまり「更新手数料は一律6,000円」という前提で人事予算を組んでいる企業は、その前提自体を見直す必要があります。雇用している外国人社員一人ひとりの在留期間を正確に把握し、それぞれの期間に応じた手数料を紐づけて管理しないと、予算が大きくずれてしまう可能性があります。

また、適用時期が早ければ2026年10月という、年度の途中になる見込みです。すでに令和8年度の予算を組んでしまっている企業にとっては、期中に追加の財源を確保しなければならない事態も想定されます。複数名の外国人社員を雇用している企業や、1年未満の短い在留期間の方を多く雇用している企業ほど、増額の影響を強く受けることになりますので、早い段階で在留資格管理表を整理し、更新時期と想定金額を一覧化しておくことをおすすめします。

値上げ前に急いで申請することのリスク

このニュースを受けて、「値上げ前に早く申請してしまおう」と考える方も少なくないと思います。早めの行動自体は決して悪いことではありません。

ただし、書類の整備が不十分なまま焦って申請してしまうと、不許可や追加資料の提出といった事態になり、結果的にもっと時間がかかってしまうことがあります。スケジュールを優先するあまり、内容の正確性が後回しになってしまうのは本末転倒です。行政書士は、どれだけお急ぎのご事情があっても、内容が整っていない申請書を提出することはできません。これは依頼者の方を守るための、専門家としての一線とご理解いただければと思います。

なぜ値上げが行われるのか

政府はこの手数料収入を、日本語教育の充実などに充てる考えを示しています。受益者負担の観点から、外国人の受け入れ環境を整備するための財源として位置づけられているということです。

まとめ

今回お伝えした金額や施行時期は、あくまで報道ベースの情報であり、最終的には今後公布される政令によって確定します。今すぐできることとしては、ご自身、あるいは雇用している外国人社員の在留資格の更新時期を確認し、早めに専門家へ相談して十分な準備期間を確保しておくことが大切です。


今回のコラムの内容はいかがだったでしょうか。皆さんの率直なご感想やご意見を、お気軽にお問合せフォームからお聞かせいただければと思います。

無断転載・配布を禁じます。

    一覧に戻る →

    CONTACT

    お問合せ・申請のご依頼はこちらからお願いします。

    090-1906-7399

    受付時間:9:00~20:00
    土日祝日もご相談対応可能
    メール・公式LINEは、24時間受付

    お問合せフォーム →

    HOME