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制度・動向
在留カードの更新・再交付~紛失時の対応と変更届~
皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。
外国人材を雇用されている企業では、「社員の在留カードの期限が近づいている」「カードをなくしたと連絡があった」「引っ越し後はどこに届け出るのか」といった場面で、対応に迷うことがあるのではないでしょうか。
在留カードに関する手続きは、すべて同じではありません。日本に在留できる期間を延ばす手続き、カード自体の有効期間を更新する手続き、紛失による再交付、住所などの変更届出では、期限や窓口、必要書類が異なります。
まず、どの手続きが必要なのかを区別することが、対応の第一歩です。今回は、本人と企業の人事担当者が確認しておきたい事項を、状況別に整理します。

在留期間の満了日と、カードの有効期限を区別しましょう
在留カードは、中長期在留者に交付されるカードです。在留資格や就労制限の有無など、適法な在留と活動の範囲を確認するための重要な情報が記載されています。
ただし、「在留カードの有効期限」と「在留期間の満了日」は、必ずしも同じではありません。
在留期間が定められている方が、引き続き同じ在留資格で日本に滞在する場合は、原則として「在留期間更新許可申請」が必要です。許可に伴い、新しい在留カードが交付されます。
一方、永住者や高度専門職2号の方は、在留期間が無期限でも、カードには有効期限があります。この場合に必要なのは、原則として「在留カードの有効期間更新申請」です。
企業では、一つの「更新日」だけで管理せず、在留期間の満了日とカードの有効期限を分けて記録しましょう。どちらの期限が近づいているのかで、本人に案内する手続きが変わります。
なお、2026年6月14日から、マイナンバーカードの機能を備える特定在留カードが導入され、通常の在留カードも新様式となりました。記載位置や表示事項が従来と異なるため、最新の出入国在留管理庁「在留カードとは?」を確認してください。
期限が近づいたときは、必要な更新手続きを確認します
在留期間更新許可申請は、在留期間が6か月以上ある方の場合、通常、満了日のおおむね3か月前から申請できます。申請に必要な資料は在留資格や勤務先の状況によって異なります。
在職証明書や住民票などが、どの申請でも一律に必要となるわけではありません。本人の在留資格に対応する公式の提出書類一覧を確認し、企業が用意する資料も早めに整理しましょう。
満了日までに更新・変更申請を行い、処分がまだされていない場合には、一定の条件で特例期間が認められます。原則として、処分がされる時点か、従前の在留期間の満了日から2か月を経過する時点の、いずれか早い時点までです。
ただし、「申請したので、結果が出るまで無期限に在留できる」という意味ではありません。申請した事実、手続きの状況、特例期間の終期を確認することが必要です。
永住者などのカード自体の有効期間更新は、通常、有効期限の2か月前から申請する手続きです。在留期間更新の「おおむね3か月前」と混同しないようにしてください。子どものカードなどには異なる取扱いもあります。
また、2026年6月14日以降に交付される永住者・高度専門職2号のカードは、交付後10回目の誕生日まで、18歳未満の場合は5回目の誕生日までが有効期間となります。従来のカードに新しい期間が自動的に適用されるわけではないため、手元のカードに表示された期限を確認しましょう。
引っ越し後の住所変更は、市区町村で行います
中長期在留者が引っ越した場合は、新しい住居地に移転した日から14日以内に、所定の住居地変更届出を行う必要があります。
在留カードを持参して市区町村の窓口で所定の転入・転居の届出を行った場合には、入管法上の住居地変更届出も行ったものとみなされます。通常、同じ住所変更のために、別途入管へ出向く必要はありません。
市区町村をまたぐ引っ越しでは、旧住所地での転出手続きと、新住所地での転入手続きが必要です。同じ市区町村内での引っ越しでは、転居の手続きとなります。
勤務先への住所変更の連絡だけで、公的な届出が済むわけではありません。企業は、本人が市区町村で必要な手続きを行ったかを確認し、給与・社会保険などの社内情報も更新しましょう。
詳しい取扱いは、出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」で確認できます。
氏名・国籍などの変更は、入管への届出です
氏名、生年月日、性別、国籍・地域に変更が生じた場合は、「住居地以外の在留カード記載事項の変更届出」が必要です。住所変更とは、届出先が異なります。
原則として変更の日から14日以内に、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で手続きを行います。在留カードや旅券、変更を証明する資料などを準備し、必要書類は公式案内で確認してください。
例えば、結婚した場合でも、氏名などカードの記載事項に変更があるかによって、この届出の要否は異なります。結婚したという事実だけで、すべての方に同じ手続きが必要になるわけではありません。
一方、配偶者に関する届出など、在留資格によって別の届出が必要となる場合があります。カードの記載事項の変更と、在留資格に応じた届出は分けて確認しましょう。
紛失・盗難に気づいたら、警察への届出と再交付の準備を進めます
在留カードをなくしたり、盗まれたりした場合は、まず警察へ届け出て、届出の受理番号や関連資料を確認します。そのうえで、地方出入国在留管理官署への再交付申請を進めてください。
紛失などによる再交付申請は、その事実を知った日から14日以内に行う必要があります。海外で紛失を知った場合は、その後最初に日本へ入国した日から14日以内です。
「見つかるかもしれない」と考えて探し続け、申請期限を過ぎてしまわないように注意しましょう。海外で紛失し、帰国便や再入国の手続きに不安がある場合は、現地の日本大使館・領事館や入管に早めに相談してください。
紛失自体で、直ちに在留資格を失ったり、不法滞在になったりするわけではありません。ただし、必要な再交付申請を期限内に行わなかった場合には、罰則の対象となることがあります。
期限を過ぎた場合も、放置せず、事情を説明して速やかに相談・申請することが大切です。
再交付の書類と手数料は、理由によって異なります
紛失・盗難などによる再交付では、申請書、写真、旅券、カードを失ったことを確認できる資料などを用意します。警察への届出に関する資料も、公式の提出書類案内に沿って準備してください。
理由書や住民票が、すべての申請で一律に必要となるわけではありません。申請期限を過ぎた場合には、その理由を記載した資料などが求められます。
写真については、2026年6月14日以降に交付されるカードから、1歳以上の方にも提出が必要となりました。従来の「16歳未満は写真不要」という説明を、そのまま使わないよう注意してください。
紛失・盗難・滅失による再交付の手数料は不要です。 著しい汚損・毀損や、ICチップの記録の毀損による再交付も、手数料はかかりません。
これに対し、汚損などの理由がなく、本人が交換を希望する場合は、通常の在留カードでは1,900円の手数料がかかります。特定在留カードの交付を併せて希望する場合には、別の取扱いを確認する必要があります。
最新の書類と条件は、出入国在留管理庁「紛失等による在留カードの再交付申請」をご確認ください。
再交付後に古いカードが見つかった場合は、発見した日から14日以内に返納が必要です。古いカードを使い続けたり、予備として保管したりしないようにしましょう。
手数料と所要期間を、一つの表で決めつけないことが大切です
在留期間更新許可の手数料と、在留カードの再交付の手数料は、別のものです。カードが新しくなる手続きだからといって、同じ費用がかかるわけではありません。
在留期間更新許可の手数料は、2026年10月1日に改定され、許可される在留期間や申請方法によって異なります。改定前に受け付けられた申請の扱いもあるため、申請日を含めて確認してください。
更新の費用は、出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」の最新案内で確認できます。
処理期間も、在留期間更新、カードの有効期間更新、再交付では異なります。追加確認や窓口の状況によって変わるため、「必ず即日」「一律に1~2週間」と保証することはできません。
オンライン申請の対象についても、手続きごとに確認が必要です。在留期間更新をオンラインで申請できるからといって、住所変更や紛失時の再交付も同じ方法で行えるとは限りません。
企業は、本人が手続きできるよう支援します
企業の人事担当者ができる支援は、期限の案内、必要資料の準備、窓口や連絡先の共有、通訳の手配などです。本人に代わって申請・受領できるかどうかは、手続きごとの条件を確認する必要があります。
紛失時の連絡先や対応手順を、入社時に説明しておくと、緊急時にも動きやすくなります。本人が理解できる言語の公式資料を使うことも有効です。
在留カードは、16歳以上の方には原則として常時携帯義務があります。16歳未満の方は、この携帯義務が免除されています。企業がカード原本を長期間預かる運用は避け、確認後は本人に返してください。
写しや確認記録を保管する場合は、利用目的、閲覧権限、保管期間などを定め、個人情報を適切に管理します。特定在留カードにはマイナンバーカードの機能もあるため、必要以上の情報を収集しないようにしましょう。
カードの確認では、番号の失効情報だけで真正性を保証できません。原本と本人の照合、入管のIC読取アプリなどを組み合わせます。外国人雇用状況の届出は、この確認とは別の手続きです。
採用時の確認や入社後の相談体制については、当サイトの関連記事「外国人材のトラブル予防|採用時の確認と入社後の対応」もご覧ください。
状況に合った手続きを、早めに確認しましょう
在留カードの期限、紛失、引っ越し、氏名変更は、それぞれ必要な対応が異なります。まずは、何が変わったのか、どの期限が近づいているのかを整理し、手続きの名称・窓口・期限を確認してください。
本人だけに管理を任せず、企業も早めの声掛けや資料準備を支援することで、手続きの漏れを減らせます。
未来扶桑行政書士事務所では、在留資格の更新や、在留カードに関する手続きの確認・準備についてご相談に対応しています。本人の状況に合った手続きを整理し、安心して進められるよう支援します。
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※本記事は2026年10月5日時点の公表情報に基づいています。申請・届出に当たっては、最新の制度と個別の適用条件をご確認ください。
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