BLOG

お役立ちBLOG

制度・動向

2025/12/24

『2026年大予測』在留資格制度はこう変わる~変化を乗り越えるための準備と心構え

皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。

2026年は、日本の在留資格制度にとって大きな転換期となる見込みです。社会保険料納付要件の厳格化、申請手数料の大幅値上げなど、複数の制度改正が予定されています。本コラムでは、現時点で判明している制度改正の内容を整理し、これらの変化が何を意味するのか、そして私たち一人ひとりがどのように準備すべきかについて考えていきます。

2026年に予定される主な制度改正

社会保険料納付要件の厳格化

既に方針として示されているのが、社会保険料の納付状況に関する審査の厳格化です。従来から社会保険料の納付状況は在留資格の審査要素とされていましたが、2026年以降は悪質な滞納がある場合には在留資格の更新を認めない方向で制度が整備される見込みです。

具体的には、厚生労働省と法務省が連携して、悪質な保険料不払いの情報を共有し、該当する外国人については在留資格の取消しや在留期間の更新を許可しない仕組みが導入される予定です。「悪質な滞納」の具体的な基準については今後明確化されますが、長期間にわたる滞納や、意図的な未加入などが対象になると考えられます。

この改正は、特定技能の在留資格から始まり、順次他の在留資格にも適用範囲が拡大される見通しです。社会保険料の納付は、今後ますます重要な審査要素となるでしょう。
YouTubeでも関連記事「2027年からの新制度〜社会保険料滞納と在留資格更新〜」を取り上げておりますので、よろしければご参照ください。

申請手数料の大幅値上げ(検討段階)

2024年11月以降、政府が在留資格の申請手数料を大幅に引き上げる方針を検討していることが報道されています。具体的には、在留資格の変更や更新の手数料を現行の6,000円から3万円~4万円程度に、永住許可申請の手数料を1万円から10万円以上に引き上げる案が検討されているとされています。

ただし、これはあくまで「検討段階」の情報です。現行の入管法では手数料の上限が1万円と定められているため、これを超える金額に設定するには法律改正が必要です。政府は2026年の通常国会に入管法改正案を提出する方針とされていますが、国会審議の過程で内容が修正される可能性もあります。

手数料引き上げの背景には、在留外国人の急増に伴う審査体制の強化、システム構築の必要性、そして欧米諸国との手数料水準のバランスを取るという考え方があります。増収分は、外国人の受け入れ環境整備や、不法滞在者の強制送還などの財源に充てられる予定です。YouTubeでも関連記事「在留資格申請手数料の大幅値上げ〜2026年法改正で何が変わるのか」を取り上げておりますので、よろしければご参照ください。

経営・管理ビザの資本金要件引き上げ(既に施行)

2025年10月から、経営・管理の在留資格における資本金要件が大幅に引き上げられました。従来は500万円以上の資本金があれば申請可能でしたが、新制度では3,000万円以上が必要となっています。

この改正は、安易な経営・管理ビザ取得を防ぎ、真に事業を行う意思と能力を持つ外国人起業家を受け入れることを目的としています。特に中国人を中心に、日本への定住目的で形式的な会社を設立してビザを取得するケースが増加していたことが背景にあります。
YouTubeでも関連記事「経営・管理ビザ大改正を徹底解説」を取り上げておりますので、よろしければご参照ください。

その他の制度改正の動向

上記以外にも、帰化申請の居住要件の厳格化(現行5年から10年程度への延長)や、素行要件の明確化なども検討されています。これらの改正は、永住許可や帰化といった、より強い権利を与える制度について、相応の条件を求めるという考え方に基づいています。

また、オンライン申請の推進、在留カードのデジタル化なども進められており、利便性向上と管理の厳格化が同時に進行する形となっています。

制度改正の背景と目的

これらの制度改正は、なぜ今このタイミングで行われるのでしょうか。その背景には、在留外国人の急増という現実があります。

2024年末時点で、日本に在留する外国人は約359万人に達し、過去最多を更新しています。この10年間で約65%増加しており、今後も増加が見込まれています。こうした状況の中で、適正な在留管理の重要性がこれまで以上に高まっています。

制度改正の目的は、決して外国人を排除することではありません。むしろ、真面目に税金や社会保険料を納め、日本の法律を守って生活している外国人を保護し、不正な手段で在留資格を得ようとする者や、義務を果たさない者を排除することにあります。

社会保険料納付要件の厳格化は、保険料を真面目に納めている外国人にとっては、むしろ公平性が保たれる改正といえるのではないでしょうか。一部の悪質な未納者のために、真面目に生活している外国人全体が疑いの目で見られることを防ぐ効果も期待できます。

手数料の引き上げについても、増収分が外国人の受け入れ環境整備に使われることで、結果的に適法に滞在する外国人の生活環境改善につながる側面があると考えられます。

日本人読者にお伝えしたいこと

制度改正に関する報道を見て、「外国人への管理が厳しくなる」「やっと適正化される」と感じる方も多いかもしれません。確かに、義務を果たさない外国人に対する厳格な対応は必要だと思います。税金や社会保険料を滞納しながら日本に滞在することは、日本社会の公平性を損なう行為です。

しかし同時に、私たちは重要な事実を認識する必要があるのではないでしょうか。それは、義務を果たさない日本人も存在するということです。国民年金の未納率、国民健康保険料の滞納、税金の未納など、日本人の中にも義務を果たしていない人々が一定数存在します。

また、在留外国人の大多数は、真面目に働き、税金を納め、社会保険料を支払い、日本の法律を守って生活しています。私自身、ボランティアとして様々な国の方々と接する中で、日本での生活に真摯に向き合い、子どもの教育にも熱心で、地域社会に溶け込もうと努力している外国人の姿を数多く見てきました。

制度の厳格化は必要ですが、それが外国人全体への排斥的な感情につながることは避けたいものです。「外国人だから」という理由で一律に警戒するのではなく、個々人の行動を見て判断することが、真の意味での公平な社会につながるのではないでしょうか。

日本は少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化しています。外国人労働者なしには成り立たない産業も増えています。これからの日本社会は、適正なルールのもとで外国人を受け入れ、共に生活していく「多文化共生社会」を目指していく必要があるように思います。

厳格なルールと温かい共生の心、この両立こそが、これからの日本に求められる姿勢ではないでしょうか。皆さんはどのようにお考えでしょうか。

外国人読者にお伝えしたいこと

2026年の制度改正に関するニュースを見て、不安を感じている方も多いかもしれません。「手続きが複雑になるのではないか」「自分の在留資格に影響があるのではないか」という心配は理解できます。

しかし、基本的な原則を守っていれば、過度に恐れる必要はないと考えています。その原則とは以下の通りです。

守るべき基本原則:

  • 税金を期限内に納付する

  • 社会保険料(健康保険料、年金保険料)を確実に納付する

  • 在留資格で認められた範囲内の活動を行う

  • 住所変更などの届出義務を守る

  • 日本の法律を遵守し、犯罪に関わらない

これらの義務を果たしている限り、制度が厳格化されても在留資格の更新や変更に大きな影響はないでしょう。むしろ、義務を果たしている外国人にとっては、不正をする人が排除されることで、より公平な審査が行われるようになるというメリットがあるとも言えます。

ただし、今後は素行要件もより重視されるようになる可能性があります。これは犯罪歴だけでなく、日常生活における態度も含まれます。例えば、近隣とのトラブルを頻繁に起こす、交通違反を繰り返す、公共の場でのマナーが極端に悪いといったことも、審査の際に考慮される可能性があります。

日本には「人に迷惑をかけない」という文化があります。この文化を理解し、地域社会の一員として責任ある行動を心がけることが、長期的に日本で生活していく上で重要だと思います。

また、分からないことがあれば、一人で悩まず相談することをお勧めします。出入国在留管理局、区役所の外国人相談窓口、そして行政書士などの専門家が、皆さんをサポートするために存在しています。

2026年を迎えるための準備

2026年の制度改正に向けて、今から準備できることがあります。

公式情報へのアンテナを張る

制度改正に関する情報は、出入国在留管理庁や法務省のウェブサイトで公式に発表されます。インターネット上には様々な情報が飛び交いますが、中には不正確な情報や憶測も含まれています。必ず公式サイトで確認する習慣をつけましょう。

特に以下のタイミングで情報をチェックすることをお勧めします。

  • 2026年1月(通常国会開会前後)

  • 入管法改正案が国会に提出されたとき

  • 法案が可決されたとき

  • 政令や省令が公布されたとき

現時点でできる準備

制度改正を待つ間にも、できる準備があります。

社会保険料の納付状況の確認 国民年金、国民健康保険、あるいは厚生年金・健康保険の納付状況を確認し、未納がある場合は速やかに解消しましょう。過去の未納分についても、可能な範囲で納付しておくことが望ましいです。
より深くお知りになりたい方は、こちらのコラム「2027年からの新制度〜社会保険料滞納と在留資格更新〜」をご覧ください。

税金の納付状況の確認 住民税、所得税などの納付状況を確認します。確定申告が必要な方は、期限内に確実に申告しましょう。

在留カード記載事項の確認 住所、所属機関、身分関係など、在留カードに記載されている情報が最新かどうか確認します。変更があったのに届出をしていない場合は、すぐに手続きを行ってください。
より深くお知りになりたい方は、こちらのコラム「在留カード更新・再交付の手続きガイドー紛失・盗難時の対応も含めて」をご覧ください。

書類の整理 在留資格の更新や変更に必要な書類(課税証明書、納税証明書、在職証明書など)を、普段から整理して保管する習慣をつけましょう。

専門家への相談タイミング

以下のような場合は、早めに行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

  • 過去に社会保険料や税金の未納があり、制度改正の影響が心配な場合

  • 在留資格の変更を検討しているが、要件を満たすか不安な場合

  • 手数料引き上げ前に永住申請を済ませるべきか判断に迷う場合

  • 制度改正の内容が複雑で、自分の状況にどう影響するか分からない場合

専門家は最新の法令や制度改正の動向を常に把握しており、個別の状況に応じた適切なアドバイスを提供できます。不許可になってから相談するのではなく、事前に相談することで、確実な許可取得につながります。

まとめ:2026年を「準備と適応の年」として

2026年は、在留資格制度にとって大きな転換期となります。社会保険料納付要件の厳格化、手数料の引き上げなど、様々な変化が予定されています。

しかし、これらの変化を恐れる必要はありません。むしろ、制度が明確化され、真面目に義務を果たす人が正当に評価される社会に向かっていると前向きに捉えることもできるのではないでしょうか。

日本人の皆さんには、制度の厳格化が外国人排斥につながらないよう、冷静で公平な視点を持っていただければと思います。外国人の皆さんには、日本の制度をよく理解し、義務を確実に果たすことで、安心して生活を続けていただきたいと思います。

2026年を「準備と適応の年」として捉え、常に最新情報にアンテナを張り、必要な準備を進めていきましょう。変化を乗り越えるためには、正確な情報、早めの準備、そして必要に応じた専門家の活用が鍵となります。


本コラムが、これからの制度改正を理解し、適切に対応するための一助となれば幸いです。今回のコラムの内容について、ご感想やご質問、あるいは「こんな情報も知りたい」というご要望がございましたら、お気軽に当事務所のお問合せフォームからお聞かせください。皆さんからのご意見を今後のコラム作成の参考にさせていただきます。

無断転載・配布を禁じます。

    一覧に戻る →

    CONTACT

    お問合せ・申請のご依頼はこちらからお願いします。

    090-1906-7399

    受付時間:9:00~20:00
    土日祝日もご相談対応可能
    メール・公式LINEは、24時間受付

    お問合せフォーム →

    HOME