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2026/3/23
国際結婚後の役所手続き〜在留カードと住民票、何をいつまでにすべきか〜
皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。
国際結婚の婚姻届が無事に受理されると、ひとまず安心される方が多いと思います。しかし実際には、婚姻届の受理はゴールではなく、そこからが実務的な手続きのスタートです。在留カードの記載事項変更、住民票の更新、そして必要に応じた配偶者ビザへの切り替えという一連の流れを、期限を意識しながら進めることが求められます。
うっかり期限を過ぎると、罰則や在留資格への影響が生じることもあります。このコラムでは、婚姻届受理後に外国人パートナーと日本人パートナーが取り組むべき手続きを、わかりやすく整理してお伝えします。

婚姻届受理後にまず確認すること
婚姻届が市区町村に受理されると、戸籍の記録が更新されます。日本人側の戸籍には配偶者の氏名・国籍・生年月日が記載され、その後、住民票にも情報が反映されます。
一方、外国人パートナーについては、婚姻の事実が直ちに在留カードに反映されるわけではありません。在留カードは出入国在留管理局が管理するもので、市区町村への婚姻届とは別の手続きが必要です。つまり、婚姻届を出しただけでは在留カードの情報は変わらないという点を、まず押さえておく必要があります。
在留カードの記載事項変更届出
変更が必要なケースとその期限
婚姻によって在留カードの記載内容が変わる場合、14日以内に変更届出を行う義務があります(入管法第19条の17)。変更届出が必要な主な事項は、氏名が変わった場合(婚姻による改姓)、国籍・地域が変わった場合(婚姻による国籍変更が生じる国の場合)などです。
なお、住所の変更については婚姻届とは別に、転居があれば転居後14日以内に市区町村への転入・転出届が必要です。こちらも忘れがちな手続きのひとつです。
変更届出の手続き場所と必要書類
在留カードの記載事項変更届出は、住所地を管轄する市区町村の窓口で行います。出入国在留管理局に直接行く必要はなく、身近な市役所・区役所で手続きできる点は覚えておくと便利です。
手続きに必要な書類は一般的に以下のものです。
在留カード(現在のもの)
パスポート
変更を証明する書類(婚姻届受理証明書や戸籍謄本など)
新しい氏名が確認できる書類(改姓の場合)
窓口での手続きは比較的短時間で完了しますが、変更内容によっては出入国在留管理局での手続きが別途必要になる場合もあります。事前に窓口へ問い合わせておくと安心です。
届出を怠った場合のリスク
14日以内の変更届出を怠った場合、20万円以下の罰金が科される可能性があります(入管法第71条の2)。罰金が実際に科されるケースはそれほど多くはありませんが、在留期間の更新申請や配偶者ビザへの切り替え申請の際に、届出漏れが発覚すると審査に影響する場合があります。婚姻後は期限内の手続きを確実に進めることが大切です。
住民票への反映と世帯登録の確認
日本に在住する外国人も、在留資格を持っていれば住民票が作成されます(中長期在留者、特別永住者など)。婚姻後は、夫婦が同一の住所に住んでいる場合、住民票上の世帯構成を確認・整理する必要があります。
同一世帯への統合手続き
外国人パートナーがすでに日本に住民登録をしており、婚姻後も同じ住所に住む場合は、世帯主との続柄が「配偶者」として住民票に記載されます。これは婚姻届の受理と住所情報の一致によって自動的に処理される場合が多いですが、引っ越しを伴う場合は転入・転出届を通じて世帯を統合する手続きが必要になります。
住民票の世帯構成は、健康保険の扶養認定や、将来の配偶者ビザ申請の際に提出する書類にも影響します。婚姻後の住所状況を正確に住民票に反映させておくことは、後の手続き全体をスムーズにするうえで重要です。
マイナンバーカードの氏名変更
婚姻による改姓があった場合、マイナンバーカードの氏名も変更する必要があります。マイナンバーカードの記載事項変更は、住所地の市区町村窓口で手続きできます。在留カードの変更と合わせて同じ窓口で処理できることが多いため、まとめて対応すると効率的です。
配偶者ビザへの切り替えが必要なケース
在留資格と婚姻の関係
外国人パートナーがすでに何らかの在留資格を持って日本に在住している場合、婚姻によって自動的に在留資格が「日本人の配偶者等」に変わるわけではありません。在留資格の変更を希望する場合は、出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う必要があります。
たとえば、留学ビザや就労ビザで在留している外国人が日本人と結婚した場合、在留資格をそのまま維持することも選択肢のひとつですが、就労制限のない「日本人の配偶者等」に変更することで、職業選択の自由度が広がります。どちらが有利かはその方の状況によって異なるため、変更するかどうかは慎重に検討することをお勧めします。
在留期限が近い場合の注意点
在留期限が迫っている状態で婚姻した場合は、配偶者ビザへの変更申請を急ぐ必要があります。在留資格変更許可申請は、現在の在留期限内に申請することが原則です。申請中は在留が認められますが、申請しないまま在留期限を過ぎてしまうと不法残留になりますので、十分な注意が必要です。
海外から呼び寄せる場合
外国人パートナーがまだ海外にいる場合は、「在留資格認定証明書」の交付申請を行い、配偶者ビザを取得してから来日する流れになります。この申請は日本にいる日本人配偶者側が出入国在留管理局に対して行うもので、審査には通常1〜3か月程度かかります。認定証明書が交付されたら相手国に送付し、現地の日本大使館または総領事館でビザの発給を受けて来日する、という流れになります。
手続き全体の流れを把握しておこう
婚姻届受理後の主な手続きを時系列で整理すると、婚姻届受理後まず14日以内に在留カードの記載事項変更届出(氏名変更がある場合)と住所変更の届出を済ませます。あわせてマイナンバーカードの記載事項変更も同じ窓口で手続きしておくとスムーズです。
その後、住民票の世帯構成の確認と整理を行い、健康保険の加入・扶養認定の手続きへと進みます。在留資格の変更を検討している場合は、現在の在留期限を確認のうえ、余裕のあるタイミングで出入国在留管理局への申請を行います。
このように、婚姻後の手続きは複数の窓口にまたがっており、それぞれに期限が設けられています。全体の流れを把握したうえで、一つひとつ確実に進めることが大切です。
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まとめ
国際結婚後の役所手続きは、婚姻届を出して終わりではありません。在留カードの記載事項変更は14日以内という明確な期限があり、住民票の整理や在留資格の変更も必要に応じて速やかに進める必要があります。手続きの種類が多く、窓口も複数にまたがるため、婚姻届受理後は早めに全体像を確認することをお勧めします。
こうした手続きは、初めて経験する方にとっては「何から手をつければいいのか」「この書類で本当に合っているのか」と迷うことも少なくありません。14日という期限は一見余裕があるように思えますが、書類の準備や窓口の営業日・混雑状況を考えると、実際にはかなりタイトなスケジュールになることもあります。
そのため、婚姻届の提出を検討している段階から、行政書士などの専門家に相談しておくことも選択肢のひとつです。婚姻後に必要な届出の種類・期限・窓口を事前に整理しておくことで、抜け漏れを防ぎ、手続きをスムーズに進めることができます。特に在留資格の変更を伴う場合は、出入国在留管理局への申請も重なるため、専門家のサポートを活用することが、結果として時間と手間の節約につながることが多いです。
今回のコラムはいかがでしたか?「自分のケースではどの手続きが必要なの?」「在留期限が近いけれど大丈夫?」など、具体的な状況についてのご質問や、国際結婚の手続きでお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問合せフォームからお聞かせください。皆さんからのご意見が、今後のコラムのテーマ選びにも役立っています。
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