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2026/4/9

ドイツ人と結婚するときの手続き〜戸籍のない国との婚姻成立と在留資格〜

Getting Married in Japan: A Guide for German-Japanese Couples

皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。

日本人とドイツ人のカップルは、留学や就労をきっかけに出会うケースも多く、婚姻手続きについての問い合わせも一定数あります。ドイツとの国際結婚には、他の国との婚姻手続きと大きく異なる点がいくつかあります。最も特徴的なのは、ドイツには日本のような戸籍制度が存在しないという点です。このことが、証明書類の取得方法や手続きの流れに大きく影響します。

このコラムでは、ドイツ人との婚姻手続きの全体像を、制度上の特徴とともに解説します。

ドイツの婚姻制度の基本

ドイツでは、婚姻はStandesamt(シュタンデスアムト=身分登録局)という公的機関に届け出ることで成立します。日本の市区町村窓口に相当する機関ですが、宗教的な結婚式とは法的に分離されており、法的効力を持つ婚姻はあくまでも身分登録局への届出によって成立します。

ドイツには日本のような戸籍制度(Personenstandsregister=人の身分登録制度はありますが、家族単位の戸籍簿は存在しません)がなく、個人の身分事項は出生、婚姻、死亡などのイベントごとに個別の証明書として管理されています。そのため、「戸籍謄本を取り寄せる」という日本的な概念がなく、必要な証明書をそれぞれ個別に取得する必要があります。

婚姻要件については、ドイツ民法(Bürgerliches Gesetzbuch=BGB)に規定があり、婚姻可能年齢は18歳以上とされています。近親婚の禁止や重婚の禁止など、基本的な要件は日本と共通する部分が多い制度です。

日本で先に婚姻届を出す場合

婚姻能力証明書(Ehefähigkeitszeugnis)の取得

日本で先に婚姻届を提出する場合、ドイツ人パートナーは婚姻能力証明書(Ehefähigkeitszeugnis)を取得する必要があります。これが日本でいう婚姻要件具備証明書に相当するものです。

この証明書はドイツの身分登録局(Standesamt)が発行するもので、日本に在住するドイツ人が取得するには、在日ドイツ大使館(Deutsche Botschaft Tokio)を通じてドイツ本国の身分登録局に申請する方法が一般的です。ただし、ドイツ側の審査や書類準備に相当の時間がかかることが多く、取得までに数週間から数か月を要するケースもある点に注意が必要です。

申請には、ドイツ側で出生証明書(Geburtsurkunde)や独身証明書など複数の書類を準備する必要があり、書類の内容や形式が申請者の出身州によって異なる場合もあります。余裕をもった準備開始が不可欠です。

必要書類

日本で先に届け出る場合、一般的に以下の書類が必要です。

  • 婚姻届(市区町村窓口で取得)

  • 成人2名の証人の署名

  • ドイツ人パートナーの婚姻能力証明書・Ehefähigkeitszeugnis(日本語訳添付)

  • ドイツ人パートナーのパスポート(Reisepass)

  • ドイツ人パートナーの在留カード(日本在住の場合)

  • 日本人の戸籍謄本(本籍地以外で届け出る場合)

婚姻能力証明書にはドイツ語による発行のため、日本語訳の添付が必要です。翻訳者の氏名と住所を記載した訳文を自分で作成することも可能ですが、窓口によっては翻訳会社など第三者による翻訳を求める場合もあります。事前に届出先の市区町村窓口に確認することをお勧めします。

なお、婚姻能力証明書(Ehefähigkeitszeugnis)の有効期限は発行から6か月とされています。証明書を取得したら、有効期限内に手続きを完了させることが重要です。

ドイツで先に婚姻手続きをする場合

ドイツで先に婚姻を成立させる場合は、日本人側が婚姻要件具備証明書を準備したうえで、ドイツの身分登録局(Standesamt)に婚姻の申請を行います。

日本人の婚姻要件具備証明書の取得と認証

日本人の婚姻要件具備証明書は、法務局・地方法務局または多くの市区町村窓口で取得できます。ドイツでの使用に際しては、外務省によるアポスティーユ(Apostille)の取得が必要です。ドイツはハーグ条約(Haager Übereinkommen)の加盟国であるため、アポスティーユを取得することで領事認証(Konsularische Beglaubigung)を別途取得する必要がなくなります。

アポスティーユの取得は外務省で行いますが、証明書の発行機関によって申請先が異なる場合があります。手続きの詳細は外務省のウェブサイトで確認してください。

ドイツ身分登録局への申請

ドイツの身分登録局(Standesamt)での婚姻申請は、原則として結婚式を挙げる予定の地域を管轄する身分登録局に対して行います。申請に必要な書類はドイツ側のルールによりますが、日本人側は婚姻要件具備証明書のアポスティーユ付き原本、パスポート、出生証明書などが求められるのが一般的です。

ドイツで婚姻が成立した後は、日本の市区町村または在外公館に報告的届出を行います。届出期限は婚姻成立の日から3か月以内です。報告的届出に必要な書類として、一般的に以下のものが求められます。

  • 婚姻届(報告的届出用)

  • ドイツで発行された婚姻証明書(Heiratsurkunde)の原本

  • 婚姻証明書(Heiratsurkunde)の日本語訳

  • 日本人のパスポートまたは戸籍謄本

ドイツの婚姻証明書(Heiratsurkunde)はドイツ語(Deutsch)で発行されますので、正確な日本語訳の作成が必要です。

姓の選択について

ドイツでは婚姻に際して、夫婦どちらかの姓を共通の姓(Ehename=婚姻姓)として選択するか、婚前の姓をそれぞれ維持するかを選択できます。共通の姓を選んだ場合でも、一方の配偶者は自分の旧姓(Geburtsname)を共通の姓の前後に付加することができます。

日本人がドイツ人の姓を名乗りたい場合は、婚姻届受理後6か月以内に市区町村に届け出ることで、日本の戸籍でもドイツ人配偶者の姓に変更することが可能です。この期限を過ぎると家庭裁判所での手続きが必要になるため、希望する方は早めに対応することが大切です。

ドイツ人配偶者の在留資格について

ドイツ人パートナーがすでに日本に在住している場合、婚姻届受理後に在留資格を「日本人の配偶者等(Spouse of Japanese National)」に変更するかどうかを検討する必要があります。婚姻の事実があるだけでは在留資格は自動的に変わりませんので、変更を希望する場合は出入国在留管理局(Immigration Services Agency of Japan)への在留資格変更許可申請が必要です。

ドイツ人パートナーがまだドイツにいる場合は、在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility)の交付申請を日本側で行い、認定証明書をドイツに送付して在日ドイツ大使館(Deutsche Botschaft Tokio)でビザの発給を受ける流れになります。審査には通常1〜3か月程度かかりますので、来日予定から逆算して早めに申請することをお勧めします。

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まとめ

ドイツ人との婚姻手続きで最も注意が必要な点は、婚姻能力証明書(Ehefähigkeitszeugnis)の取得に時間がかかる場合があるという点です。戸籍制度のないドイツでは、証明書類を個別に揃える必要があり、手続きの準備は結婚を決めた早い段階から始めることが重要です。

書類の種類・取得先・翻訳の要件・アポスティーユ(Apostille)の手続きなど、確認すべき事項は多岐にわたります。婚姻届の提出前の段階から行政書士などの専門家に相談しておくことで、手続き全体の流れを把握し、準備の抜け漏れを防ぐことができます。


今回のコラムはいかがでしたか?「ドイツ人との結婚手続きで何から始めればいい?」「婚姻能力証明書の取得にどれくらいかかる?」といったご質問や、日独間の婚姻手続きでお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問合せフォームからお聞かせください。皆さんからのご意見が、今後のコラムのテーマ選びにも役立っています。


Für deutschsprachige Leser: Dieser Artikel erklärt die Eheschließungsverfahren zwischen deutschen und japanischen Staatsangehörigen in Japan. Bei Fragen zur Visumbeantragung oder zu Eheschließungsverfahren in Japan wenden Sie sich bitte über das Kontaktformular auf unserer Website an uns.

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