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行政書士資格

2025/11/10

行政書士試験合格後の登録手続きと開業準備

みなさん、行政書士試験合格おめでとうございます!試験に合格したばかりの皆さんは、これからどのように手続きを進めて開業すればいいのか不安なことも多いのではないでしょうか。私も実際に経験してみて、思っていた以上に準備することがたくさんあることに驚きました。そこで、合格から開業までに必要な手続きや準備について、私の経験も交えながらご紹介したいと思います。

行政書士試験に合格してから書士会に登録・開業まで、やらなくてはならないこと気を付けておいた方がいいことが結構あるのでまとめてみました。

1. 開業までのスケジュール感

合格通知は例年1月末となっていますが、正式な合格を証明するものとして合格証書が必要になります。これがないと登録手続きができませんが、大体2月の中旬くらいに届くので、どんなに早くても2月の中旬以降でないと登録を申し込めません。そして、登録完了まで約一カ月から一カ月半かかりますので、行政書士として看板を掲げて業務を開始できるのは、最短でも4月からとなります。

また、士業全般に言えるのかもしれませんが、登録申請に際してあらかじめ準備しておかないと申請手続きができない仕組みになっていますので、事務所名の決定や備品の準備などは申請作業であらかじめ必須でかかる時間としてスケジュールに織り込んでおくべきものになります。

2. 第1フェーズ:合格から申請書類提出まで

①行政書士の登録申請書類の入手

各都道府県の行政書士会のWebサイトの入会手続きコーナーからダウンロードできます。申請書と合わせて、記載の仕方を記述したガイドや動画も単位会によっては準備されているので、とても助かりました。私も何度もガイドを見返しながら記入したのを覚えています。

②事務所名を決める(これが本当に悩ましい作業でした)

事務所の名称については、「事務所の名称に関する指針」があり、これに合致したものでないと登録できません。さらに、今後のマーケティング展開のことなども考えると、わかりやすい、記憶に残る、メッセージの伝わる、他との差別化になる、などの要素も踏まえる必要があります。

自分の事務所名を考えることは楽しくも悩ましい作業でした。人によっては事務所名の画数で縁起を担ぐなんてことも考えるかもしれませんね。私も家族や友人に相談しながら、何案も考えて最終的に決めました。

③ドメインの取得

事務所の名前が決まったら、それにちなんだドメインの取得を検討してみてください。ドメイン=メールアドレスの@マーク以降の記載内容を言います。もし、Webサイトも作らず、メールアドレスも既存のメールサービス(例えば、Gmailなど)を活用される場合は、この作業は必要ありませんが、申請書類の連絡先にメールアドレスを記載しなければならないので、今後ご自身でWebサイトを立ちあげたりする場合は必要になると思うので取得してください。

 大手どころで著名なドメイン管理・取得サイトとしては、「お名前ドットコム(https://www.onamae.com/)」や「Xサーバー(https://www.xserver.ne.jp/)」などがあります。

④事務所の所在地を考える(自宅 vs 賃貸の大きな決断)

大別すると、「自宅を事務所とするのか」、「事務所を借りるのか」ということになりますが、どちらも事務所とするにあたり求められる要件がありますので、それらを満たす必要があります。

事務所の名前同様、自分の「店」を出すわけですから、立地による交通や人の流れ、雰囲気、クライアントの来やすさ・わかりやすさなども考慮しなくてはなりませんし、事務所を借りる場合は、費用、設備、アクセス、築年、間取り、周辺環境なども考慮しなくてはならないですね。これもまた、楽しくも悩ましい作業になります。

事務所を借りる場合: 開業前から事務所を借りることになるので、開業してから家賃程度の収入が得られるまで(仮に開業から半年とします)、約8カ月は固定費として自分で準備しなくてはならないので、自己資金や開業融資も考える必要が出てきます。

ちなみに独立性の観点からは昨今はやりのバーチャルオフィスは、占有できる執務スペースが確保できないなどで登録できない可能性が高いです。また、都心などの地価の高いエリアでは、バーチャルオフィスといっても開業したばかりの経済状態では借りられる金額ではないところが多いと思います。小ぶりのレンタルオフィスがおススメだと思います。

自宅の場合 :家賃はかかりませんが、そもそも事務所としての独立性を備えていなかったりすると、要件を満たさないことになるので、場合によっては改装工事や家族にご理解をいただいてお部屋を空けてもらうなどの調整が必要になるかもしれません。また、自宅の近隣の方々の理解が事務所への来訪者などに対して得られるかとか、自宅がクライアントに知られるので、万が一クライアントとのトラブル発生時などに不安はないかなども考慮に入れる必要があるかもしれません。

私の場合の決断 :私は当初自宅での開設を考えましたが、自宅の所在地が主要ターミナル駅からさらに郊外に3駅ほどいったところにあり、最寄駅からも1km徒歩13分ほどあったので、クライアントの方に来ていただくには判りにくく不便かなと思い、一念発起して事務所を借りることにしました。今思えば大きな決断でしたが、クライアントのことを考えると正解だったと思います。但し、事務所運営の経営観点から、従前の仮説=売り上げが上がらない期間を6カ月として、6カ月後に再度コストと見通しを見直すこととしました。

⑤事務所備品の購入(意外と時間がかかります)

事務所の開設にあたり最低限準備しないと要件を満たさないものが、必須備品となります。

必須備品一覧

  • パソコン

  • 事務デスク・事務椅子

  • 施錠可能な書類キャビネット

  • プリンター

  • 通信設備(電話・FAX・インターネット機器)

  • 書籍棚

  • 応接セット(接客テーブル・椅子)

準備したのち、事務所の外観・導線、表札(この時点では事務所名が決まっていても登録前ですので表示できません)、備品などはその配置や設置状況がわかるように写真を撮って添付しなければならないので、備品をそろえたりするのに結構な工数を取られます。私は、備品調達に関してはほとんどネット小売り大手の某A社さんを目いっぱい活用させていただきました。ものによっては2週間〜3週間かかったものもあったので、手配は納期を考慮しないと登録が遅れてしまいます。

費用的には、ミニマムセットで申請要件だけを満たす方もいらっしゃいますが、私は資金の可能な範囲で、買い替えなどしなくて済むように、またなるべく統一感が出るように買い揃えました。

また、必須の備品ではありませんがあると便利な備品としては、シュレッダー、ホワイトボード、事務所用小型冷蔵庫、掃除機などが思いつきますし、細々したものとしては文房具1式、ゴミ箱、トイレ用品などがあるかと思います。限られた予算なので、優先順位を決めて計画的に準備したいですね。

電話についての実体験 :電話については、各都道府県の書士会に固定電話でなくてもよいか確認したほうがいいと思います。今どきは経費削減もかねて携帯電話でよしとされているのではないかと思いますがご確認ください。ちなみに私は東京行政書士会ですが、携帯電話でOKでした。

ただ、一方で固定電話番号の有無が社会的信用につながる部分もいまだにありますし、ご年配の方などは固定電話番号がかけやすいのではと思い、固定電話をスマートフォンで使えるサービスで、固定電話番号とFAX番号の取得を行いました。固定電話番号で着電するとすべてスマートフォンで取ったり掛けなおしたりできるサービスです。

FAX機材はクラウドファックスなのですべてパソコンで対応できますが、意外とFAXの需要や必要性はあるようですので準備された方がいいかもしれません。ちなみに行政書士の研修受付もFAX経由のみの受付でした。

⑥登録申請書類の提出(ついに大きな一歩)

登録申請書類は、事前予約をしてから持参して面談の上確認していただくことになります。事前の予約は、電話もしくは受付システムで行っているので、各書士会の申請ガイドをよく読んで行ってください。

登録に必要なもの一覧

  • 登録申請書類一式

  • 住民票(本籍地記載のもの)

  • 身分証明書(禁治産者等に該当しない証明書)

  • 証明用顔写真(添付のもの含めて5枚、縦4cm×横3cm)

  • 30,000円の収入印紙(添付しないで持参)

  • 登録手数料と入会金(前日までに振り込んで、振込んだ事実がわかるものを持参)

  • 都道府県行政書士会の会費(3か月分現金で持参)

身分証明書は運転免許証などではありませんのでお間違えないように、最寄りの地方公共団体にて発行してもらいます。

提出が終わると、今後の対応についてのご説明を聞いて提出完了です。あとは登録の完了まで、1カ月から1カ月半待つと登録完了通知が届きます。

3. 第2フェーズ:申請から開業まで

①登録完了通知(いよいよ行政書士に!)

申請後、登録が完了すると登録完了通知が届きます。私の場合は、約1カ月弱で登録が完了して通知をいただきました。通知には、登録証交付式の案内や行政書士会の会員サイトの利用のための手続き案内が記載されてきます。

また、なるべく早いタイミングで、職印と表札の準備が必要になります(行政書士法施行規則第2条14)。特に職印は研修の申込に必要になりますので、速やかに準備した方がよいと思います。私は某ネット小売り大手のAのはんこ屋さんで安く1,400円位で作りました。

②研修の申込(見逃し注意です)

登録完了通知が届いた後は、会員サイトへのログインなどが可能になると思いますので、各会のサイトをよく見て、自分の予定している業務に必要な研修の申し込みなどを行いましょう。受講対象者や申込期間などが限られており、見逃すと次の受講可能時期まで待たなくてはならないので、一日も早い立上りを考えるのであれば情報にアンテナを張って見逃さないようにしたいですね。私は一日も早く在留資格申請の取次資格を取りたかったので、あらかじめネットで研修の実施時期を探りながら、登録申請の時期も研修の申込期限から逆算して提出時期の予約取も配慮しました。

③自己PR用の素材作り(初めての集客準備)

これからは、自分で集客を行わなければなりませんので、集客に必要なWebサイトや名刺の作成等に必要な、自分の掲示用の写真を用意します。スマホの自撮りレベルから、スタジオに出向いての撮影までいろいろあるかと思いますので検討してみてください。私は、笑顔での写真がおすすめといわれていたので、スタジオ撮影を申し込んで撮ってもらいました。撮影の時に微笑み方や肩の力の抜き方なども教えてくれました。が、自然に微笑むのは本当に難しいと感じました。

ロゴは、必須ではありませんが自分の事務所を象徴するマークですので、それがあるとクライアントに一目で認識してもらえる旗印としての機能を果たしてくれます。自分の事務所の設立理念やストーリーなどをもとにデザインしてもらうのもいいかもしれません。オンラインでフリーランスのデザイナーに比較的低料金で依頼できるサービスもあります。私の場合は職場の同僚デザイナーが支援して作成してくれました。

④Webサイトの作成(現代では必須かもしれません)

今はインターネットの時代ですので、基本Webサイトを持つことが事業の名刺代わりにもなってきていますし、ほぼすべての人がスマートフォンを持っているような時代ですので集客ツールのかなめとしてWebサイトは非常に重要なツールになってきています。

外注で本格的仕様のものを作成すると、自分では苦労することなくしっかりしたものは作れますが、一方で今後SEO対策などを考えた時に自分でコラムの掲載などコンテンツをアップデートすることも考えると、ある程度自分でも制作の操作ができて、自作のコンテンツなどをアップできる技量ぐらいは持っていた方がいいかもしれませんね。外部制作100%でセキュリティ対策などもしっかりすると80〜160万円前後、自分で作成した場合はレンタルサーバー代、Webサイトのテンプレート代や、素材のダウンロード代などは最低限かかりますが一部手伝ってもらった費用も入れて年間15〜25万くらいでしょうか。IT業界にいる友人などがいればこの辺りの道案内になってくれるかもしれません。

私の場合は、ノーコードで作成できるStudioという作成ツールを使って、しかも有償テンプレート(あらかじめ必要な項目が整った書式)にを購入して作成しました。最初は操作方法がわからず、四苦八苦しましたが3週間ほどで一通りのことはできるようになりました。
最後のサーバーとの接続設定などは知人に有償でお願いしてやっていただきました。

⑤資金計画の検討

自宅であれ、外部であれ事務所を開設して事業を開始するにはそれなりの資金が必要になるかと思います。これを行わないと開設できないというものではありませんが、開業前に考える事業計画と合わせて、今後軌道に乗るまでに必要な資金計画は考えておくべきだと思います。自己資金+外部融資などを想定して、備品の準備にかかる費用、登録費、事務所の家賃や経費、軌道に乗るまでの生活費(人件費)などを書き出していつまでにどのくらい必要なのかを考えてみるといいと思います。

⑥名刺を作成する

できれば登録証交付式までには作っておいて交付式の時の同期の方々と名刺交換できるようにしたいですね。オンラインで発注できるオンデマンド印刷が便利です。名刺のほかにも開業の挨拶状なども作れます。私はラクスル(https://raksul.com/)で名刺を、アーツ(https://b-aisatsujo.com/)で挨拶状を作成しました。

私は、クライアントに覚えていただけるように名刺に撮影した自分の顔写真を載せてみたり、裏面に最寄駅から事務所までの略図を載せてみたりしました。最初の作成時点では、まだどんな業務をメインにしていくのか判断できず、「対応業務」などは表記できませんでしたが、後でシールなど貼って補完できるようスペースを空けておいたりしました。

諸先輩行政書士のアドバイスでは、恥ずかしがらずに自分のプロフィール等、話題人ありそうなことを記載することで初対面の方との話の糸口になるので、積極的に載せるべきとのことでしたので、出身地や大学名、趣味、血液型、星座、ペットのことまで載せたところやはり、その後の会話では大いに助かりました。

⑦登録証交付式に参加する

皆さん緊張の面持ちで集合、行政書士登録証を交付していただきました。この日、胸につける徽章や領収書などを購入することができます。続いて記念写真を撮ってひと段落、その後はしっかり3時間以上、ズシリと重い分量の資料をいただきながら行政書士としての倫理や業際について、組織の仕組みなども新人研修として拝聴し、これからのスタートに向けて改めて思いを認識しました。

⑧開業届・青色申告承認申請書を提出する

基本的には、個人事業主で開業される方がほとんどだと思いますので、所轄の税務署に出向いて、開業届と青色申告承認申請書を提出して開業となります。どちらも控えに収受の捺印が必要とこれまで言われていたのですが、税務行政のデジタル化における手続の見直しの一環として、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行つておりません、とのことでした。

また、適格請求書発行事業者登録については全ての方に必要というわけではありませんが、申請業務において法人相手のお仕事が多い場合などに取引機会を確保するためや、消費税の透明性確保のためにも申請をした方がいい場合があります。こちらはオンラインで申請できます。

⑨事業用の金融サービスを整える

会計処理を私的範囲と区別して明確にするためにも銀行口座やクレジットカードは事業用のものを用意しておくと便利ですし、社会的信用度も増します。口座開設には開業届の控えやWebサイトのコピーの提出などが求められる場合があります。

ネットバンキングでは比較的手続きも簡便にできます。屋号付きの講座の開設を希望する場合はあらかじめ屋号付き口座の開設が可能かどうかや、口座維持費用が発生するかどうかなども確認しておくといいかもしれません。

私は大手都銀の屋号付き講座の開設をしようと、ネットの情報だけを頼って窓口に行ったところ、すべて予約制だといわれて予約が取れるのも2週間から10日先だといわれましたので、早めの窓口での情報収集が必要かもしれません。その後、都銀の屋号付き口座を無事開設することができました。

その他の当サイトのご参考記事

行政書士の開業に向けたそのほかの関連記事を以下の通りご案内いたしますので是非ご参考になさっていただければ幸いです。

行政書士開業に必要な備品・設備完全ガイド〜実体験に基づく効率的な準備法〜

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個人事業主のための損益計算書(P/L)入門 〜 事業計画を数字で見える化する方法

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行政書士試験体験記~3度の挑戦で学んだ通信講座活用法~

行政書士試験合格への道 〜効果的な勉強法と実体験〜

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行政書士試験合格後のリアルな歩き方~登録申請から開業まで~

4. まとめ:準備期間を大切に

ここまで読んでいただいた通り、行政書士試験に合格してから実際に開業するまでには、思った以上に多くの準備が必要になります。私自身も実際に経験してみて、「こんなにやることがあるのか!」と驚きました。

特に事務所名の決定や所在地選び、備品の調達など、すべてが初めての経験で戸惑うことも多いと思います。でも、一つひとつ丁寧に準備していくことで、開業後スムーズに業務を始めることができると思います。

私の場合は、準備期間をの間に先輩行政書士の開催する優施用セミナーに参加したり専門書を見てみたりして少しではありますが、実務知識を高めることができました。また、自己紹介資料(チラシ)の作成や、ブログの書き溜めなどもして結構忙しい日々を過ごしました。皆さんも焦らずに、この準備期間を有効活用されることをお勧めします。

また、開業後も継続的な学習が必要になりますので、今のうちから情報収集の習慣をつけておくといいかもしれませんね。行政書士会のメーリングリストやSNSグループなどにも参加してみると、最新情報や実務のヒントが得られることも多いです。

今後は、今回の中で充分に触れられなかった「事業融資の申し込み方」や「私の揃えた備品たち」についてもお伝えできればと思います。皆さんの開業準備が順調に進むことを願っています!一緒に頑張りましょう!このコラムに関してのご意見やご質問等があればお気軽にお問合せフォームからご連絡ください。

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