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行政書士資格

2025/10/16

行政書士試験体験記〜3度の挑戦で学んだ通信講座活用法〜

皆さん、こんにちは。未来扶桑行政書士事務所 行政書士の樋口裕昭です。

行政書士試験に挑戦される方、あるいは挑戦を検討されている方にとって、どのような学習方法を選択するかは合格への重要な第一歩となります。今回は、私が3度の受験挑戦を通じて実際に受講した通信講座の特徴と、行政書士試験の現状を踏まえた効果的な学習戦略について、私の経験を交えながらご紹介させていただきます。

行政書士試験の現状と難易度

まず、行政書士試験の概要について触れておきたいと思います。行政書士試験は、法令等科目(憲法、行政法、民法、商法、基礎法学)と一般知識等科目(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)から構成されており、300点満点中180点以上(60%以上)で合格となります。ただし、法令等科目で122点以上、一般知識等科目で24点以上という科目別の基準点も設けられているため、バランスの良い学習が求められます。

特筆すべきは、令和6年度試験から一般知識等科目に「行政書士法等」が新設され、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法が出題範囲に加わったことです。これは平成11年度まで出題されていた内容の復活となり、より実務に即した知識が問われるようになりました。この変更により、行政書士としての実務知識がより重視される傾向が明確になり、受験生にとっては学習範囲の拡大という新たな課題が加わることとなりました。

近年の合格率を見てみると、令和4年度が12.13%、令和5年度が13.98%、令和6年度が13.95%と、概ね10〜14%程度で推移しています。この数字が示すように、決して簡単な試験ではありません。特に最近の出題傾向として、単純な条文知識を問うだけでなく、最新判例や判例の補足意見からの出題、複数の論点を組み合わせた複雑な問題が増加しており、より深い理解と応用力が求められるようになってきています。

私の受験履歴と学習スタイルの変遷

私の受験履歴は以下の通りです。第1次受験勉強は2020年1月、57歳になった時から開始しましたが、3月のCOVID-19パンデミック発生と4月の転職による環境変化のストレスから、10月の受験直前で断念してしまいました。第2次は2022年12月から勉強を再開し、令和5年度試験を受験しましたが146点で不合格。そして第3次として2023年11月から妻に再挑戦のお許しをお願いして勉強を開始し、令和6年度試験で200点を獲得して合格することができました。

この3度の挑戦を通じて、私は異なる通信講座を受講し、それぞれから多くの学びを得ることができました。各講座の特徴と、そこから見えてきた学習スタイルの重要性について詳しくお話しさせていただきます。

学習スタイル別の特徴とコスト

行政書士試験の学習方法は大きく分けて、完全独学型、通信教育型、受験校利用型の3つに分類できます。それぞれの特徴とメリット・デメリット、必要な費用について整理してみましょう。

完全独学型は、市販のテキストと問題集を活用して自力で学習を進める方法です。費用は年間2〜3万円程度と最も経済的ですが、学習計画の立案から進捗管理まですべて自己責任となります。法律の基礎知識がある方や、自己管理能力が高い方には適していますが、初学者にとっては適切な学習方法や重要論点の見極めが困難という課題があります。また、令和6年度から追加された行政書士法等の新科目への対応も、独学では情報収集が難しいという新たな課題も生じています。

通信教育型は、私が主に活用した方法で、年間5〜15万円程度の費用がかかりますが、体系的なカリキュラムと専門講師による解説動画、質問対応などのサポートが受けられます。自分のペースで学習できる柔軟性と、専門的な指導を両立できる点が大きなメリットです。特に新科目への対応についても、講座提供会社が迅速に教材を更新してくれる点は心強いといえます。ただし、モチベーション維持は自己管理に依存する部分が残ります。

受験校利用型は、予備校に通学して対面授業を受ける方法で、年間20〜30万円程度と最も高額ですが、講師への直接質問や受験仲間との情報交換など、学習環境として最も充実しています。新科目の導入など試験制度の変更にも最も迅速に対応できる環境といえるでしょう。ただし、時間的制約が大きく、仕事と両立させるには相当な覚悟が必要となります。

第1次受験:初学者向け通信講座での基礎固め

第1次受験時に受講した某大手通信講座は、年間約5万円という手頃な価格設定で、初学者にとって非常に入りやすい内容でした。2色刷りのテキストは条文が丁寧に記載されており、各ステップごとの添削課題で理解度を確認できる仕組みが整っていました。オンラインの1問1答システムも充実しており、進捗状況をシステムで管理できる点も良かったです。

しかし振り返ってみると、この講座は入門レベルとしては優れていましたが、合格レベルに到達するには知識量が不足していました。特に判例問題や応用問題への対応力を養うには、追加の教材や学習が必要だったと感じています。また、私自身の学習方法も受験ノートを作成しながらという非効率的なものだったことも反省点です。

第2次受験:中級者向け講座でのアウトプット重視

第2次受験では、Web広告でよく見かける中堅の通信講座会社を選択しました。年間約5万円という価格帯は同じでしたが、カリキュラム構成が大きく異なっていました。テキストの徹底的な読み込みと、問題集によるアウトプットを繰り返すという明確な学習サイクルが確立されており、独学者にとって非常に頼りになる構成でした。

個性的な講師による動画講義は理解を深めるのに効果的で、繰り返し視聴することで知識の定着を図ることができました。テキストと問題集は学習日をマークできる仕組みになっており、私は過去問題集を全科目5回以上繰り返し解きました。この反復学習により、基礎力は確実に向上したと実感しています。

ただし、1問1答システムの使い勝手が悪く、結局紙の問題集に頼ることになった点と、模擬試験を受験しなかったことが敗因の一つだったと考えています。時事問題や深掘り問題への対応が不十分なまま本番を迎えてしまったのです。

第3次受験:上級者向け講座での実力完成

第2次受験の自己採点で、憲法の難問に歯が立たなかったことや、記述式で用語を正確に書けなかったことが判明し、悔しさから眠れない夜を過ごしました。翌朝、妻に再挑戦をお願いし、今度は思い切って年間約12万円の中上級者向け講座を選択しました。

この講座の特徴は、講師がドラマ仕立てで論点を説明してくれることでした。条文だけでは想像しにくい状況を具体的にイメージできるようになり、理解が格段に深まりました。最新判例やレアな判例も網羅されており、追加レジュメで常に最新情報がアップデートされる点も心強かったです。特に令和6年度から新設された行政書士法等についても、実務経験豊富な講師陣による詳細な解説があり、単なる暗記ではなく実務での活用を意識した学習ができました。

オンライン問題集は約13,000問という圧倒的な問題数で、司法試験の短答式問題も含まれており、幅広い出題パターンに対応できました。さらに、延べ10回の模擬試験受験により、時間管理と最新の出題傾向への対応力を養うことができました。

効果的な学習戦略のポイント

3度の受験を通じて学んだ効果的な学習戦略をまとめると、まず初学者の段階では基礎的な法律知識の体系的な理解が最重要です。この段階では、分かりやすいテキストと丁寧な解説がある講座を選ぶことをお勧めします。

中級段階では、インプットとアウトプットのバランスが重要になります。テキストの読み込みと問題演習を繰り返し、知識の定着を図ることが必要です。この段階で過去問を最低3回は解くことを目標にすると良いでしょう。

上級段階では、応用力と実戦力の養成が鍵となります。最新判例への対応、複雑な論点の理解、時間管理能力の向上が求められます。模擬試験を積極的に受験し、本番さながらの環境で実力を試すことが不可欠です。また、新科目の行政書士法等については、実務を意識した学習が効果的です。戸籍法や住民基本台帳法は行政書士業務と密接に関連するため、単なる条文暗記ではなく、実務での活用場面を想定しながら学習することで、より深い理解が得られるでしょう。

通信講座選択の際の注意点

通信講座を選ぶ際は、自分の現在のレベルと目標を明確にすることが大切です。初学者が最初から高額な上級講座を受講しても、基礎が身についていなければ効果は限定的です。逆に、ある程度の基礎がある方が入門講座を受講しても、物足りなさを感じることでしょう。

また、講座の特徴を事前によく調べることも重要です。各社とも無料体験講義や資料請求サービスを提供していますので、必ず複数の講座を比較検討することをお勧めします。テキストの見やすさ、講師との相性、サポート体制の充実度など、自分に合った要素を重視して選択することが合格への近道となります。特に令和6年度からの新科目対応については、各社の対応状況を確認することも重要なポイントとなります。

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まとめ

行政書士試験は決して簡単な試験ではありませんが、適切な学習方法と継続的な努力により、必ず合格できる試験です。私も足掛け3年2回の受験でようやく合格することができましたが、それぞれの受験で得た経験は無駄ではありませんでした。

重要なのは、自分に合った学習スタイルを見つけ、それを継続することです。通信講座は独学の柔軟性と専門的な指導を両立できる優れた学習方法ですが、最終的には受験者自身の努力と工夫が合否を分けることになります。

令和6年度からの新科目追加により、行政書士試験はより実務的な知識を問う試験へと進化しています。これは将来の行政書士としての業務を考えれば、むしろ歓迎すべき変化といえるでしょう。試験勉強で得た知識が、そのまま実務で活かせるようになったのですから。

これから受験される皆さんが、私の経験を参考にしていただき、効率的な学習により一日も早く合格の栄冠を手にされることを心より願っております。行政書士としての新たな一歩を踏み出される日を楽しみにしています。


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なお、当コラムに記載している内容は各受験年度時点での各講座の状況です。現時点での内容とは異なっている点はご了承ください。

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